見た目はおもしろ、中身は虚無『シャザム!』

『シャザム!』(原題:Shazam!)

2019/アメリカ映画

 

(!ネタバレあり!)

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幼い頃、母親と生き別れ里親を転々とするビリー・バットソンはある日魔術師からスーパーパワーを授けられ、「シャザム!」と叫ぶと大人のヒーローに変身出来るようになる。

 

 

 

 

休日の夜に軽く映画でも思いアマプラにて鑑賞しました。

 

 

 

 

シンプルにつまらなかったです。

 

 

別にこちらも、よし!大傑作とおぼしき作品を観てやるぞ!と意気込んでいたわけではないのですが、ちょっと予想を遥かに上回るつまらなさでした。

 

おい、DCまじで大丈夫か?

 

 

冒頭、70年代、とある少年(後のヴィラン)が父兄と祖父家へ車で向かう途中、魔術師に呼ばれ「純粋な心を持つものにパワーを授けうんたらかんたら」と言われるものの、横にあった魔物封印ボールに気をとられ不合格。(家族の爪弾きものだったこともあり、その後こじらせる)

 

現在、都会で母親探しながら、たくましくっぽく生きる主人公ビリーは新たな里親に迎えられ、他5人の里子と共に共同生活を始める。

そのうちの一人、小柄で脚が悪く学校でいじめられてるが口の達者なフレディと相部屋になり、なんだかんだ一緒に行動する。

 

ある日、なんか知らんがビリーはずっと勇者を探してたあの魔術師に召喚され、パワーを伝授、シャザムと叫ぶとアラフォーくらいの男性ヒーローに変身出来るようになる。

 

フレディとスーパーパワーではしゃぐ。ネットにアップする。話題になる。

 

一方おじさんになったヴィラン(サド?だっけか?)は、長年の研究の末、魔術師のところに辿り着き、魔物を自分に取り込んで(なんで魔術師死んだんだっけ)父兄その他をぶっ殺し、完璧なパワーを求めてビリー探す。

 

ビリー見つかって危機一髪。逃げる。

 

里子の一人がビリーの生き別れた母親見つけて会いに行くが、一緒に住む感じじゃなくてすぐ諦める。

 

その間、家がヴィランに見つかって、あーだこーだあって、最後里子全員スーパーヒーローになって、ヴィランも捕まえる。

 

です。

 

 

 

 

今作、基本コメディなんですが、

 

・テンポが悪い

・ギャグが滑る

・キャラが書割

 

この3点かと。

 

 

もうプロローグの時点で、あっ、、、、って感じましたもん。

少年が召喚された洞窟は安いし、彼が純粋そうな描写もないし、帰されてから乗ってた車にトラックが追突するんですが、車が止まってから追突されるんですよ。

いや、走行中にされろよ。

この、間の悪さが最後まで続く感じです。

 

 

 

キャラクターも特に魅力がなく。

 

主人公は里親を転々としながら、行方不明の母親との再会を夢見てる少年ですが、ちょっと荒れてるけど頭キレるとか、野生で磨いた腕っ節が素敵とか別にない。

普通にしか見えない。(最初のパトカーうんぬんだけじゃ弱いでしょ)

なんでヒーローに選ばれたのかわからん。(一生懸命母親を探してたから?フレディをちょっと助けたから?それくらいは庶民もするよ?)

 

里子仲間もオーソドックスなキャラ造形で、オモシロイっぽい台詞を一人ずつ喋ってるだけ。

(紹介シーンの掛け合い無し感にげんなり。)

 

 

唯一、非常にキャラがたって(といってもよくある感じだが)、役者本人のポテンシャルでコメディリリーフ、フレディを好演していたジャック・ディラン・グレイザー。

あのITで、病気がちな子を演じていた彼です!

私、ITでは彼が1番好きでした!

こんなザルな脚本演出でも、きっちり一定以上の仕事をするこの方は末長く活躍されるんじゃないでしょうか。

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一人だけ群を抜く芝居をされたグレイザー氏。

 

そういう意味で、こじらせ中年ヴィランを演じたマーク・ストロングにも救われたかなと。

この方も大好きな役者さんです。

(このサドに関しては、長年あの洞窟へ行く方法探してた割に、解決方がめっちゃ簡単だったけど?!お前、阿呆か?!!)

 

こういった、どんなレベルの作品でもきちんと存在感やリアリティを持って演じられる俳優さんってほんと尊敬します。

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スッキリとしたヘアースタイルが魅力のストロング氏。

 

 

 

 

ギャグもね、それじゃ笑えないというか。

コメディって本人たちは至って真剣な上で噛み合わない状況が笑いを誘うんだと思うのですが、本作は笑わせるための台詞や演出なんですよ。

それだと萎えるんです。

(最後の方で、大人姿のヒーローとなった末っ子ダーラが職業サンタに向かって、「私はすごくいい子よ」とこっそり言ってサンタが困惑するシーンが1番正解に近いのでは)

 

 

 

そしてストーリーのテーマの一つは「家族とは」なんでしょうけど、そこも、、、

 

 

ヴィランは幼少期から実の父兄に馬鹿にされ続け、愛を得られずに闇落ち。

かたや主人公も実の母に再会したら捨てられた事が判明し、新たな家族と真の絆を結ぶ。的な。

 

この母問題ですけど、まず祭りで迷子になったくらいで生き別れるか?(「国際市場で逢いましょう」観た事ある?)赤子のときならまだしも結構喋れてたじゃん。

しかも同じ街に住んでたっていう。

で会ったら会ったで、めちゃくちゃ物分かり良く引き下がる。彼、思春期ですよ?じゃなくてもこんなん絶望するでしょ。

人間描く気あんの?これ、ヒーロー誕生譚でしょ?

 

里子たちとの関係も、フレディは置いておくとして、他の奴らと殆ど絡んでないよね。

あの母探しノートとハッキングで全部回収したつもりだろうけど、だったら彼らも初めからヒーローはしゃぎに巻き込む方がまだましでは。いつ絆育んだの?

一緒に住んでる設定のメリットゼロですわ。

 

 

他にも、魔術師が無能すぎるし(もっと精査しろよ!)、ジョックスは華無いし、トラの人形を出してくるのとかどうでも良いし、無駄になげーし、、、

(正直、テンポが良くて笑えれば、物語上の矛盾とか詰めの甘さって勢いで押し切れたりすると思うんですが、本作はとにかくそこが壊滅的だった。。)

 

 

こりゃあ、マーベルに水を開けられるわけだよ。。。

 

DCヒーローものはノーランのバットマンくらいしか観てないんで、これから観ようかなと思ってたんですが、めちゃくちゃ出鼻を挫かれましたわ。。。

 

なんか続編作る気っぽいですが(里子ヒーロー達が活躍するんでしょ)、こんなんだったらもう観ないす。

 

 

というわけで、久々に白ける映画を観ましたが、これはこれで勉強になったような気がするので鑑賞自体は良かったようなことにしたい気がします!!!(せっかく休日の時間使ったんだしな!!!!)

 

 

私は彼女に謝りたい『かぐや姫の物語』

かぐや姫の物語

2013年/日本アニメーション映画

 

(!ネタバレあり!)

 

自分ジブリで育ってきたものの、基本駿一辺倒で勲はスルーしがちだったため今作未見でしたが、友人から散々観ろ観ろと言われ鑑賞致しました。

 

 

 

空恐ろしい作品でした。。。

 

 

まず各所で絶賛のアニメーション技術ですが、なるほど、ちょっとどうかしてる域でしたね。

人間って絵をあんな風に動かせるのかと。なんというか、生きとし生けるものそのものの動きというか。

赤子の頭が少し跳ねたり、物を拾う動作の入れ込み方だったり、首のかしげ方だったり、桜の花びらの舞い方だったりと、それを、あのデフォルメされた人体造形と手書き線でやられるもんだから、自分が一体今何を観てるのかよく分からなくなってました。

往来を行き交うモブにまで徹底されている凄まじさ。

凄いを超えて戦慄覚えまくりでした。

 

背景の水彩画も神でしたね。

水彩って画材の性質上、試行錯誤できる猶予が極端に少ないので、正解が見えた上で一発で色や形を決めなくてはならず非常に難しい技法だと思うのですが、素晴らしいお手本を見せて頂きました。

色を重ねた部分と単色使いであんな豊かな世界が描けるのかと、その向こうに見える鍛錬に絵描きの末席にいるものとして頭が下がるばかりです。

 

 

ストーリーはよく知られている竹取物語ですが、そういや私、幼少の頃よくわからん話だなと思った覚えがあります。(絵本で読む古典レベルのものですが)

 

竹から生まれて、美人に育って求婚されたら全部断って、だって月に帰りてぇからっつって悲しむジジババ置いて帰るってどういう事?

じゃなんで地球の竹林に来たん?結局何がしたかったんだよ、何の話だよと。

 

 

 

 

答えて頂きました。

いやー答えて頂きました。

 

 

そういう事でしたか。

 

 

駿がロマンチストなら、勲はリアリスト。しかも徹底かつ辛辣なリアリスト。

ニコニコしながら横っ面引っ叩かれるような感覚でした。

 

 

 

月に住まう殿上人には悲しみはないが喜びもなく(おそらく不死だし)、地球の生命の営みに想いを馳せる事はタブー。

その禁忌を犯してしまった罪に対する罰として、地球の竹林に降ろされたのがかぐや姫

 

そんなに憧れるならそっちで一回やってこい、どうせ結局こっちに戻ってくるがな(月の神談)

 

 

登場人物はほぼ原作通りですが、これといった悪人がいないのが切ないところ。

 

 

竹林でかぐや姫を見つけた翁(おきな)。この翁の決めた都移住が最初の間違いなわけですが、大事な我が子に何不自由無い安全な暮らしをさせたいと願う親心はよく分かります。

田舎で質素に暮らしていたものの、ある日ごつい宝くじ当てちゃって、これで都会に行ってデッカい戸建建てて、娘にハイレベルな教育を受けさせよう!

それが娘にとっても1番なのだ!と思い込むのは実に賢明ではないけど邪悪でもない。

ただそこに自分の欲も乗っちゃった。

ここの宝くじは、またも竹から見つかる金や反物ですが、これ月側が毎回仕込むトラップなんでしょうね。

 

心優しい嫗(おうな)もとても娘想いだが、都行きを止められず。というか最終的な決定権は当然夫側にある時代でしょう。

(ただ、竹から産まれて猫スピードで育つ女児を、そんな事もあるかとスルッと受け入れる柔軟性は見習いたいす)

 

 

前半の田舎シークエンスの輝きっぷりは、こっちがうっかり移住したくなるくらい素晴らしくって、この話をずっと観ていたかったです。

あの畑から盗んだ瓜みたいの食いたい。

ここで捨丸なるオリジナルキャラが出てきますが、これは後述します。

 

 

 

中盤、有無を言わさず都の御殿に連れてこられたかぐや姫。(雉鍋食べさせてあげたかった、、っ泣)

広い屋敷ではしゃいじゃうのが良かったです。まだ子供なんだよね。

 

教育係もめっちゃ手を焼くスーパーお転婆ガールだったものの、(ただ親の前ではしっかりこなす。喜んでもらいたいし安心させたいからね。)お披露目パーティーでメタメタに傷付けられてしまう。

 

この宴、まじ醜悪でした。。。低俗で下品な大人達がわんさか出てきて、しかもこういう会って絶賛現在進行中じゃないですか。

地位の高い人間ほど、虚無なパーティーやってますもんね。。

 

怒り、絶望するかぐや姫の疾走感を物凄い筆力で描き、そこから故郷で炭焼きとの静かな対話。

春を待つ木々に自分を重ねて行き倒れてしまう、、ってほんと子供にこんな思いをさせないでくれ!!

 

 

 

月パワーで屋敷に戻ってからは故郷に帰る日を夢見てじっと耐える日々ですが、ここから求婚ターン。

 

 

この公達達も馬鹿だけど悪人ってわけではないんですよね。そういう価値観で生きてきちゃってるし。

(ここらへんの人物の所作も面白かったです。あの尻尾みたいな帯?ってああするんだ)

 

お馴染みの無茶振りからの嘘ばれなど、割とコメディターンだと思うですが、そこで人死にが出たりと結構エグい。

ちょっとぶつかった子供の親に平伏されたり、輩になった捨丸を偶然見ちゃったりと、心折れまくる展開。

 

序盤からそうでしたが、もうこの辺りの翁が無理過ぎて。

あなたの為を思って棒を振りかざしてくる親って子供はほんとにしんどいんすよ!!!分かって!!!全ての親!!!!(自戒)

 

 

そんで帝ですよね。

もう造形の悪意。笑 

顎、そして肩パット。

 

 

あの後ろからガバッと来られた時の姫の生理的嫌悪顔。秀逸です。

 

この帝がキモすぎるのがとても重要ですもんね。心からもう嫌だと、こんな所(地球)になんかいたくないと思わせないとなので。

 

 

嫗の計らいで故郷に向かった姫が再会した捨丸。

やっと会えた捨丸!美しい故郷を体現していた捨丸!

だのに、、、

この捨丸がまた、、、

なんか愚か、、、

あんなに頼れた捨丸兄さんはどこへ、、、、

(一緒に逃げようじゃねーよ、妻子どうすんだお前、なに即答してんだよ)

高良健吾の少しおぼつかない発声も相まって、飛翔というとても爽快でありながら非常にゲンナリもするというアンビバレントな名シーンでした。

 

 

 

 

終盤、ついにお迎えに来てしまった月一行。

あっかるーい軽快ミュージックにパステルカラーで、はい!お前ら愚かな人間の苦悩とか哀しみとかまじどうでもいいんで!!

という全く話の通じない別次元感。

かぐや姫のスーッというあの動き、黒沢清ホラー幽霊みたいでした。

別れの際、若干の猶予があるものの途中でぶった切られる。(あそこ無くてもいい位でしたね)

 

 

羽衣を掛けられ、全ての記憶を失い(彼女にとっての)煉獄に戻されるかぐや姫があの童歌と共に地球を振り返って涙を流し、月に赤子が映って了。

 

 

私のこの月赤子を観た瞬間は、どういう感慨を抱けっちゅーねん!!!!死ぬ!!!!(爆)となったんですが、

よく考えるとこれがこの辛辣過ぎる物語のわずかな希望なのかなと。

 

 

おそらくこれからも地球に憧れる月人は現れ、何回も行われた地降ろしが続くはずで、多分前回今回同様失敗に終わるだろうけど、いつか、もしかしたら誰かが人生を全う出来る日が来るのではないか、、というかすかな希望。

(でも人間が愚かな限り、その日は永遠に来ないけどね。バッチーーーン!!!)

 

 

 

生命の輝きに焦がれて人の業に潰されたかぐや姫の物語

 

 

漫画版ナウシカでは、その人ですら美しい生命そのものなのだと結論付けましたが、こちらでは徹底して突き放す。

 

なんというか、心底ごめんなさいという気持ちになりました。。。ごめんね、かぐや姫。。。俺たち、頑張ってもっと賢くなるよ。。。。

 

 

 

なんやかんや打ちのめされはしましたが、しかし自分の人生の財産となる大事な作品を鑑賞できましたと思います。

高畑監督、ありがとうございました!!!!!

中年の苦悩『トイ・ストーリー4』

トイ・ストーリー4』

2019年/アメリカアニメーション映画

 

(!ネタバレあり!)

 

 

 

子に「1」を観せようと 思い借りてきたらうっかり「4」まで観てしまいました。(子は5分で興味無し、「2」は飛ばしましたすんません)

 

中学の頃「1」を劇場で観て影響されまくり、鑑賞後コンビニに置きっ放しにした傘を取りに戻った記憶があります。

「2」はそこまででしたが、「3」ではこのまま死ぬのでは?と思うほど爆泣きしました。

こんな完璧な終わり方があるのかと思っていたので、新作製作の一報を聞いた時は「フォフォフォ、4???!!!!!正気かっっっっっっ??!!!!」と戦慄した次第です。

 

 

で、感想ですが、本作は中年のアイデンティティ・クライシス話からの新世界へ旅立ちものでした。

これはもうトム・ハンクスが実写でやってもいいのではという位、なかなか渋めのテーマ。

 

毎回青空から始まる今シリーズ、今回は土砂降りからスタート。

 

元の持ち主アンディから新しくモリーに譲られ、新しい仲間達とそこそこ楽しくやってたわけですが、徐々に出番が少なくなり不安に思っていたところに、モリーがゴミから作ったフォーキーがやってくる。

 

私、このフォーキーがなんかちょっとしんどかったというか、、

フォーキーは自我が芽生えた時から、自分のアイデンティティはゴミなんですよね。だからすぐゴミ箱に戻りたがって。

ゴミ箱が落ち着くって言ってんのに、とにかくウッディが無理やりおもちゃとしてモリーの隣に戻しまくる。

その様子がコメディタッチに描かれてはいますが、なんか、、、辛い、、、、フォーキーは望んでおもちゃになったわけではないから辛い、、、

 

ここはウッディの自分が忘れられるのではという心理的不安の裏返し行動で、フォーキーはウッディのミラー的存在として必要なんでしょうが、、

 

1~3でも感じたんですが、ウッディってかなり狂信的なんですよね。

おもちゃの1番の幸せは子供と一緒に遊ぶ事なんだっっ絶対っっっっ!!!!っていう。

(それが裏目に出たのが宇多丸さんがおっしゃるように「2」ですね)

 

まぁだからこそ、何があってもアンディの元へ帰ったし、主人公たりえたと思うんですけど。

 

そして話はモリー一家のバケーション!おもちゃもみんな連れてく!もちろんフォーキーがアクシデントによりいなくなる!ウッディが助けに行く!

というお決まりの展開の中、紆余曲折を経てめっちゃたくましくなった元カノ・ボーと再会。

 

ボー、良かったですね~。どん底を経験しながら、仲間を得て自分の腕で人生を切り開いていく、とても魅力的なキャラになってまして。彼女の気持ちの良い成長がこの中盤をグイグイ引っ張っていってくれました。

というか、今更ピクサー様にこんな事言うのなんですが、ほんと動きが綺麗でナチュラル。。。

背景は言わずもがな、もう、こういう見た目でこういう質感の役者さんが演じてるのかなと思ったくらいですよ。

(今「1」見返すと進歩に驚愕。)

 

終盤、今回の悪役(そこまで、というか別に悪じゃないけど)に囚われてたフォーキーをいつもの調子でなんやかんやと取り戻したりと、それなりのアドベンチャーはありますが、ん~ここもこれまでほどの興奮はないというか。(新キャラもそんなに。。)

今までだと、おもちゃならではの特性を更にツイストをかけて活かしたりして、そこが楽しかったのですが、、、

仲間達もバズ以外、特に活躍してなかったですし。

 

なんで、今作はもうそこを見せたかったわけではないのだなと。(いや、ちゃんと一定程度以上には面白いんですけどね)

 

最後ウッディはこれまでの仲間に別れを告げて、ボー達と新しい世界へ旅立つんですが、

 

これが自分の生きる道と信じて、命賭けて尽くしてきた会社から諸事情あって転職せざるをえず、そこでも頑張って仕事に邁進するも自分の仕事が少しずつ減っていき、

新卒であんまよく分かってないが才能ある後輩を必死に指導してたら、フリーランスでバリバリ楽しそうにやってる元カノ(やり直せる可能性有り)に

こっちで一緒にやってみないかって言われ、勇気出して新世界に踏み出してみようっつー、そういう話でした。

 

こりゃ中年の人間の話だよ。笑

 

あの時バズ達のもとへ戻ったとしても、モリーのクローゼットの中で悶々とする日々が待ってたはずなので、ウッディにとってこれで良かったんだと思います。

 

価値観の転換というふっとい事を(基本)子供向けの作品にぶっこむ、それがピクサー

モリーちゃんがおそらくインド系という人種的多様さも頭が下がるばかり)

(しかし、これをトイストーリー世界観の中で描く必要はあったのか?という疑問と、これまでのしっかりとした流れがあったからすんなりと語れたんだよなという想いがアンビバレントにございます)

 

 

ゆえに「3」まで観てほっこりしてる子供達がこれを観て喜ぶかっつったら微妙な気もしますが。笑

(私だったら嘘だろ、、、ってなる)

 

 

なんで、そこそこ人生やってきた大人たちが余裕もって鑑賞するタイプの作品なのではと思います。

もうさすがに続きはないよな!!

物語は終わるためにある『シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll』

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll』

日本アニメ映画/2021年

(!ネタバレあり!だし、なんの考察もありません!!!)

 

 

 

シン・エヴァ鑑賞して参りました~!連日大盛況との事で良い席とるのちょっと苦労しました。

 

エヴァシリーズに関しては、旧アニメ版と旧劇場版は直撃世代だと思います。

当時はX-ファイルしか観てない女だったので後追いでしたが、周りの環境との兼ね合いや嗜みとして鑑賞した覚えがあります。

 

なんで、どハマりはしてないんですよね。何となくATフィールドとかシンクロ率とか逃げちゃダメだみたいな表層的要素しか覚えてなくて。

あ、あとカオルくん握り潰しシーンとか。

で、なんか意味わかんねーなと。そこから特にハマらず。

 

ただ、巨大ロボだと思ってたエヴァの機体から血が噴き出したり、共食い始めたりと生理的嫌悪描写が良い意味でキモくて、それなりに記憶には残ってました。

 

序・破・Qに関しても完全後追いです。というか、シン・エヴァ観るために先週一気見しました。

もうね、、ずーーーーーーっと待ってたガチファンの皆様、本当にお疲れ様です、、、、っっっ泣

あそこから10年近く放置されていたとは、、、。ファンならずとも気持ちはお察し致しますよ。。。

 

 

 

本題のシン・エヴァですが、私は大満足でした!

ちゃんと終わってた!幕引きに立ち会えた!!

 

ちなみに今これを書いてる時点で考察記事や動画を一切見ていないので、設定の細かい事は私にゃさっぱり分かりません!(キリッ)

それでも楽しかったですよ。

 

 

冒頭、パリでつかみのバトル。(東京タワーかと思ったらエッフェル搭でした。)

歩くエンジン達良かったっすね。

 

廃人シンジくんとアスカ、綾波(型)一行はミサトたちと連絡とるため移動中、サードインパクト生き残り組が作った集落に拾われ、そこでなんやかんや。

(ちょいちょい出てくるモヨコ作品。笑)

 

トウジ生きてて良かったですね。完全に死んだと思ってたので。

ケンケンがまさかの大活躍で。子供の頃、バトル見たさにシェルターから勝手に抜け出して迷惑かけてたりしたけど、サバイバルだとやっぱこういう人が強いのねっていう。

 

私シリーズ通して、全く綾波に興味が持てないんですけど、ここの綾波人間勉強シークエンスの最後、「もっとツバメを抱っこしたかった」にうっかりホロっときてしまいました。

 

そっから主要メンツがゲンドウとの最終決戦に向かうわけですが(色々はしょらせてもらいますよ)、

個人的にはとにかくアスカ!!!!!

アスカ!!!!あんたは立派だよ!!!!!立派だよーーーーー!!!!!泣

孤独な人生に耐えながら、常に最適解に向かって身体貼るアスカが非常にグッときました。

 

後半アスカ✖️マリ、ミサト✖️リツコのシスターフッド感が際立ってたのも好みでしたね。(リツコさんの造形も好き)

 

終盤、父子バトルの舞台がどんどん変わっていくのも面白かったです。ああいう変な夢みたいの好きなんですよ。

(しかし、父と息子ってのはいつの時代も大変ですな。スターウォーズしかり、バキしかり、美味しんぼしかり、、、みんな母親死んでんな。。。)

 

 

最後ミサトの特攻で槍が届き、ゲンドウはシンジの中にユイを見て、そのユイがシンジを助け、エヴァのない世界が作られたわけですが、、

 

あー、、これでやっと庵野監督自身、エヴァから解放されたのねぇと。

 

素人ながらもこのシリーズは(ルーカスとSWのような)監督の個人史でもあるのだろうとは思っていたので、人間一人の人生の区切りを垣間見たようで爽快でした。

 

物語は終わる為にあるのです。

終劇という名の大団円を観させて頂きました。

 

カオルくんや冬月、ラストの世界線などなんかよく分かってない事も多いので、それらはこれから掘っていきつつ、

まずは(皆さん)ほんとおつかれした!!!

これが絶望だよ『チェイサー』

『チェイサー』 韓国映画/2008年

(!ネタバレあり!)

 

 

元刑事でデリヘル店を経営するジュンホは嬢の失踪にいらついていた。手付金を持ち逃げされたのではと疑う中、その嬢の最後の客から派遣依頼の電話が来る。

そこで風邪をひいて寝込んでいたデリヘル嬢ミジン(子持ち)を無理やりその客のもとへ派遣するが、、

 

 

 

 

 

つつつ辛え~~~~~~!!!!!きちーーーーー!!!!キツ過ぎるーーーーーー!!!!

 

持ってかれました、、、、、っ。

 

最近ライトなエンタメづいてたんで、久々腹にドガンッと来ました!

つまり最高の映画体験だったという事です!

さすがナ・ホンジン監督!これが長編デビューってどういう事???!!!!

 

 

ナ監督作は『哀しき獣』『哭声』ともに鑑賞済みですが、私はこの『チェイサー』が1番好きでした。

とにかくテンポが良い!画だけで状況を説明し、どんどん進む!2時間超えなのに全くダレない!

 

 

鑑賞前はタイトルがチェイサーという位だから、『悪魔を見た』的な感じかなと思っていたんですが、序盤犯人があっさり捕まる展開にまずびっくり。

そこまでの凄惨さも凄かったです。

 

あの汚ねぇ水場。あの画一発でここで世にも恐ろしい事が行われているとわかる禍々しさ。

そんでチラッと映る超怖い髪の毛。。ぐわぁ。。

殺し方も嫌でしたねー。すんなりいかない感じ。最悪。

 

 

そこからもう2人程殺したあと、殺人鬼ヨンミンとジュンホがばったり事故り、ヨンミンは警察へ。

その後、ヨンミンが取り調べ受けたり、ジュンホが暴れつつ独自でミジンの行方を捜すわけですが、

 

警察の無能さよ!!!最初っから最後までずーーーーっと無能ォォォォォーーーー!!!!!

ナ監督作品の警察は基本無能ですが、もう怒り死にしそうでしたよ!!時間ねえのになに山とか捜索させてんだよ!!それはキムチの汁だバカ!!昼寝してんじゃねえボケ!!!

 

ジュンホもジュンホでまじクズですしね。お前が無理やり行かせたせいだよ!!!

 

という負い目を幼い娘の存在で自覚し、共に行動する事で徐々に人間性を取り戻すんですが、ここもね、、

 

あの娘さんの慟哭がほんと辛くて、、、(あえて大雨に被せる引いた演出が更に、、)

 

 

そんで殺人鬼ヨンミン。

この最悪ゴミクズクソ野郎の描き方が素晴らしかったです。(こいつが1番悪いのは分かってますよ。)

空っぽなんですよね。何も考えてない。だから簡単に白状するし、意味のわからない言い訳や嘘を吐く。

取り調べで、EDが原因だろうと詰められますが、おそらくそれもただのきっかけであって深い背景など無いように思いました。

きっとこちらが納得出来るような理由はないんです。なぜあんな事をするのか全く理解できない、だから凄く怖いしおぞましい。

(あのチラッと出てくる甥っ子の姿、、、)

 

 

終盤の地獄展開もほんとこっちが死にそうでした。。。

実は息のあったミジンが必死の思いで屋敷から脱出し、雑貨店みたいな所まで来れた時、私心底ホッとしたんですよ。

良かった、ミジンだけは助かってくれるって。

だのに、だのに、、、、

(あの地域、なんであんな人いないんだよ!!!これだから金持ち地区は嫌なんだよ!!!!)

 

そこから『FUNNY GAME』もかくやという、ヨンミンに都合いい展開。

絶望、、、、、、っっ。もう辛すぎて詳しく書けない、、、、っっっっっ。

(あそこもさ、2人で尾行してたのに、1人電車に乗り損ねるっていう布石な。。)

 

 

ラストはジュンホとヨンミンのタイマンでしたが、ここのエクストリームさがエクストリーム過ぎて、もはや笑いました。

人間、ひどすぎると笑うんですよね。(褒めてます)

 

 

最後、病院で眠るミジンの娘をジッと見つめるジュンホ。

彼女の無事を救いと捉える向きもあるようですが、どうでしょうね。。そう簡単には救われないんじゃないかな。(特にジュンホ)

私には絶望しか残らなかったです。

(強いて言うなら、ジュンホがヨンミンを殺し損ねた事はまだ良かったのかなと。)

 

 

とにかく前編通してしんどい映画ではあるんですが、時折オフビートな笑いも入るまさにナ・ホンジン印な重量級作品でした!!

こんな体験、映画でしかしたくない!!!!

ナイフと手斧と金槌と『犯罪都市』

犯罪都市』 韓国映画/2017年 (原題:The Outlaws)

 

(!ネタバレあり!)

 

ソウル南部衿川警察に勤務するマ・ソクトは地元暴力団同士の手打ちや情報収集などをギリギリアウトな方法でこなす毎日。

そこへ朝鮮族暴力団が進出し、事態が混乱していく。(実話ベース)

 

 

 

『悪人伝』を鑑賞した流れでこちらも観て参りました。

めちゃくちゃ楽しかったです!!個人的には『悪人伝』より好みでしたね。(「悪人伝」は自分の上げすぎたハードルに振り回されただけですが、、)

 

 

序盤、ソクト刑事(マ・ドンソク)がヴァイオレンスたっぷりにサクサクお仕事する愉快なシーン。

携帯片手に光もん振り回す輩2人をサクっといなす。この程度はイージーモード。

しょっぴいた奴の口割らせる為、真実の部屋(ただの部屋の隅)でフルフェイスメット被せて殴る殴る。

ある組織の組長がやってるお姉ちゃんのいるお店に顔出してはせっせと情報収拾。(ののち泥酔)

でも地元商店街の皆さんには優しい。

そんな治安良くない地域の清濁併せ呑みデカをさすがのコメディアン力で演じてらっしゃいました。

 

チーム感も良かったですね。気になるヘオ・ドンウォンさんをたくさん観れて嬉しかったです。

 

そして韓国映画における悪役の華、朝鮮族ヤクザの皆さん。素敵でしたね~。

(あくまで朝鮮族のヤクザです。色々な作品に次元の違う奴らとして登場する事が多い朝鮮族ですが、その中のヤクザが悪役なのです。差別の助長になったら嫌なので明記致しました。)

 

顔力ね。坊主のソンラク演じるチン・ソンギュ氏(もう引っ張りだこの方ですが)、ネットで画像検索するとめっちゃ普通~!!!(どういう事~!!!)

 

 

物語は2大勢力の1つを乗っ取った朝鮮族ヤクザ黒龍組がなんもかんも無視して大暴れし、地元警察、地元マフィアの三つ巴戦に突入していくとても暴力的な展開になっていくわけですが、

いつも思うのは、「暴力」それ自体 もとても怖いのですが、それ以上に「暴力を振るったその後に頓着のない人」つまり「暴力に対して全く躊躇がない人間」が1番怖いなと。

 

暴力団といえど、一応ルールはあるし、暴力に打って出たらそれなりの覚悟をせんといかんという暗黙の了解があるわけですが、そこらへんまじでどうでも良いし全然興味ないとする黒龍組がやっぱり最高に怖い。

 

武器も包丁と手斧っていう原始的さ。手斧て。どうやって持ち歩いてんの?(牛骨には負けるけど笑)

 

 

中盤、捜査から外されそうになったソクトが、ほんとはもう罠仕掛けてるから逮捕は時間の問題だし、なんなら全滅出来る!!とはったりかましちゃったもんだから、

やべーやべーとなりながらも、地元の皆さんに協力を仰ぎつつ終盤の大捕物劇へ。

 

ここも特に混乱することなくスマートな作りで見やすかったです。

序盤に出てきたあの2人組が大活躍でしたね。(語学力って大事!)

 

最後はお待ちかねソクトとボス、チャン・チェンとの一騎打ち。

掴みで笑かしてからの大乱闘。(ここの「1人か?」「ああ、まだ独身だ」のくだり、脚本家天才でしょ)

 

この作品でこいつらが最も強いのだという事を分からせてくれる説得力満載のヘビー級試合でした!

 

きっちり事件解決して、ラストはマブリーの笑顔で締める!!5億点!!!!(©宇多丸師匠)

 

 

ヴァイオレンス、シリアス、コメディのバランスが良く、大変楽しい作品でした!

大満足!!!

張り手で人は殺せる『悪人伝』

『悪人伝』 韓国映画/2019年 (英題:The Gangster,The Cop,The Devil)

(!ネタバレあり!)

 

 

2005年、ある殺人事件を調査するチョン刑事は、先に発生したいくつかの事件との共通点を見つけ連続殺人事件だと確信する。

一方、極道の頭ドンスは一人で帰路についていた夜、突然何者かに襲われる。

犯人は同一人物と気づいた2人は共闘し、殺人鬼探しをすることとなるが、、、

 

 

 

マブリーことマ・ドンソクの最新作だ、わっしょいわっしょい!と観てまいりました!

 

 

なんですが、、

 

これは完全に私が悪いのですが、観る前に物凄く期待値を上げちゃったんですよね。。

なんかこう「新しき世界」級の作品を観るぞ!みたいなテンションに勝手になっちゃってて、、、

なので個人的に若干肩透かしを食らってしまったなという。。。

 

いやっとは言え、確実にレベルの高い作品なのは間違いないんです!

アト6のムーヴィーウォッチメンコーナーで宇多丸さんもおっしゃってましたが、色んなジャンルの美味しいとこ全部乗せ映画なんですよね。

そういうある意味ライトでありながら、きっちり楽しい要素を提供してくれる娯楽作として鑑賞するのが正しい姿勢だと思います。

 

 

言わせてもらうなら、私的にもうひとつ食い足りなかったのが、バディ感でして。。

 

極道もんのドンスと荒れくれデカ武井壮ことチョン刑事(宇多丸さんはマーク・ウォルバーグ意識であると。ほんとだ、似てるわ)が殺人鬼を捕まえるために共闘という最高に上がるシチュエーションですが、この2人が(心理的に)バディ化する演出がもう少しあっても良かったのではと思います。

刑事極道入り混じっての打ち上げで酒飲む際、チョン刑事がうっかり横向いちゃう(無意識的にドンスを敬ってる)シーンは、本来楽しいはずなんですけど、少し唐突に感じちゃいまして。

ただ、部下手下たちが一緒に頑張るくだりの、どっちがどっちだ感などはとても楽しめました。

(犯人に気づかれないようにというお達しにも関わらず、非常に分かりやすく暴れてましたね笑)

 

 

また、この手の作品の華である暴力描写は安定の韓国印でした!

実は人が入ってたサンドバッグ、お前みたいな生意気な野郎は殴らず前歯を抜く(人力で)、うるさい同業にはヘビー級連続張り手(ビンタで人って殺せるんだという学び。あの人死んだよね?)

全てマブリーのお仕事でございます。

不死身感も素敵でしたね。割と長めな包丁で結構刺されても、近距離からの車にダイレクトにはねられても大丈夫!

 

 

 

役者陣も皆さんいい顔でした!椿の所長が出てきた時、あ、この後オンサンに左遷されたのかと一瞬世界線が混乱しましたが。

そんでこちらも椿組のヘオ・ドンウォンさん(ヒャンミ脅すヤクザ役)、やっぱこの人気になりますわ。

あの、なんと形容していいか分からない容貌。パーツは優しげなんだけど、うーん、なんかマスクっぽいんだよな。

宇宙人とか演ってほしい感じ。

 

 

 

終盤、犯人がクソ過ぎる故、利己のみが大事な極道ドンスが利他的行動(自首&証言)が本作のクライマックス。

立派なもんもんを拝領致しました。

(まぁここに至らしめるため、犯人の殺人コンセプトがぶれまくりますが)

 

 

 

そしてラスト、あえて奴を法の手に渡した意味がわかるあのマブリーの笑顔!!

ごちゃごちゃ言ってもあのニッコニコを観たら、もうオールオッケーですわ!!

 

 

本作、ハリウッドリメイクが決定しマ・ドンソクが同じ役で出演されるという事で、こんな嬉しいニュースはないですな!

米国での祭りも期待しております!!!