物凄く今必要な大河『大奥』

『大奥』 作/よしながふみ  全19巻  漫画

 

(!めっちゃネタバレあり!)

 

 

三代将軍、徳川家光の世に突如謎の疫病(若い男子しか罹患せず致死率が非常に高い)「赤面疱瘡」が大流行し男子の人数が極端に落ち込む中、泰平の世を望む春日局は亡き家光の隠し子千恵を身代わりの将軍としてたてることとする。

 

 

 

よしながふみ先生による壮大な大河が16年目にして遂に完結致しました!!!!

まさに圧巻!!リアルタイムで読めたことが非常にありがたい作品でした。

 

 

当初、自分はこの作品を男女逆転時代劇ものとして大奥の中で美男美女のあれやこれやが繰り広げられる系かと思っていたのですが、そこはよしなが先生、こちらの予想を遥かに凌駕する展開のつるべ打ちでした。

 

序盤は恋愛要素が多いのですが、そこから政治もの、家族もの、医療もの、隠謀もの、そして幕末ものとどんどんジャンルがスライドしていきます。

 

何が凄いって、それらがちゃんと史実と辻褄が合ってる!!!!

私は日本史の授業は99パー忘れましたが、そんな人間でもかろうじて覚えている「生類憐みの令」。

この悪法の哀しい成り立ちに涙した読者は多いのではないでしょうか。

 

そしてもう1つはやはりジェンダー感ですよね。

ここを描くための逆転であったかと。

悲しいかな、現在においてもれっきとして続く女性差別、多くの女性が聞かされてきた言葉がそのまま男性に向けられる。

ガラスの天井に苦悩する男性達。

女性の私でも、ここは読んでいてギョッとしました。

 

男女の役割が逆転したからといって差別がなくなるわけではない、ただ裏返るだけ。

その凄まじく公平な視点がこのSF世界を現実のものとして支えているのだと思います。

性差関係なく有能無能はいるし、高潔低俗もいるんだよな。

 

また異性愛だけでなく、同性愛やトランスジェンダーなどの今でいうセクシャルマイノリティーの人々を殊更特殊な人間としては決して描かないところも本当に誠実だと思いました。セクシャリティーではなく、本人を描いている。(当たり前なんですけど、そうでない作品も多くて辟易します。)

 

 

それではここで僭越ながらお一人ずつ感謝の意を込めつつ、ご紹介致します。

 

・三代将軍 家光

 

ここから逆転は始まった!

亡き父の身代わりとして将軍家光に仕立てられた千恵、戦国乱世をサバイブした豪傑ババア春日局、したたかボーイ玉栄、そして種馬として還俗させられた超絶イケメン、

後のレジェンド有功。大奥の幕開けに相応しい悲恋もの。大奥そのものの成り立ち、世継ぎを産まなくてはならない重圧、侍の面子、1個人ではどうすることもできない家や血の呪縛など、この世界の価値観はこう!!という叩き込まれパートでした。有功が本音を言う時だけ京ことばになるのがツボっす。

 

 

・四代将軍 家綱

 

ここはサラッとでしたね。家綱こと「左様せい様」。父である有功(実父ではないけど)に惚れちゃう家綱。

彼女は彼女で切ない生涯だったでしょう。

 

 

・五代将軍 綱吉

 

悪名高い「生類憐れみの令」を作った犬公方こと綱吉。側近吉保、父玉栄こと桂昌院、そして切れ者右衛門佐。

この章はえぐられましたね~、、あんな環境で大事な我が子を失ったら、そらああなるよ。。

自分をひたすら愛してくれるお父さんにひたすら世継ぎを期待されて、やばい法律まで作られて、でももう生理は上がってる、、地獄。

ここはキャラも好みでした。綱吉と右衛門佐の長い駆け引きからの一瞬の幸福。

 個人的には吉保が好きです!本当の気持ちを押し殺しながら文字通り身体張って尽くしまくる、そして最後は自分のものに。ううう~。

 

 

・六代将軍 家宣

 

非常に人格者の家宣。側近間部詮房。側室左京。大奥総取締まりヒグマ系男子江島。

家宣さまの人格者っぷり。間部の狂気じみた心酔も分かりますね。彼女の頭はいいんだろうけど、あのギリギリした感じ、いるわ、ああいう人。

そして左京の恋は辛かった。。

 

 

・七代将軍 家継

 

家継ちゃんかわいかった。。泣

しかしここはやはり江島の旦那でしょう。最高の男でしたね。左京との関係性も良かったですし。(新五郎はかわいそすぎるけど、、まじ時代)

高遠でのシーン、ああいうサラッとした語りが胸に染みるんですよね。

 

 

・八代将軍 吉宗

 

徳川中興の祖、吉宗。側近久通。

(恋愛要素はなく、政治ものへ)

めちゃくちゃ仕事できるボス&めちゃくちゃ仕事できるNo,2のバディものターン。

とにかく久通に痺れました。ふわっとした見た目からは想像もつかない汚れ仕事を一手に担う辣腕マシーン。

見込んだボスに天下とらせる為なら手段を選ばず静かに実行。

久通あっての吉宗だったことがわかる2人の最後の会話。

「いつでもお手討ちになる覚悟で今日まで生きて参りました、、。」覚悟の質よ。

最高のバディを見せて頂きました。

 

 

・九代将軍 家重

 

言語が不明瞭な家重。使用人田沼意次

ここは親子関係に比重が置かれていましたね。

そんでこの家重がまたね、、人間だなと。よしなが先生もあえて良い人として描かなかったとおっしゃっていて。

偉大な母に愛されたい認められたいと願いつつも同時にその影に怯え続け逃げてしまうという、とても人間臭い人物でした。

途中差し込まれた(そして後も出てくる)あのうな重、食べたい。

 

 

・十代将軍 家治

 

御台所と仲いい家治。そしてチーム赤面疱瘡 田沼意次 平賀源内 青沼 黒木 伊兵衛 きすけ

ここから疫病赤面疱瘡根絶へ向けて医療ものになっていきます。

もうここは吐くほど泣きました。とにかく泣きました。このチームが全員魅力的すぎて。

人たらしな天才源内(実は女)最高、国の為に身を粉にする意次最高、硬派な黒木最高、改心する伊兵衛最高、頑張るきすけ最高、

そして青沼さん!!青沼さーーーーーん!!!!!

この作品全体通してもなんですが、とにかく人なんですよ。人が人を動かすんですよ。真摯な心の前では権力とか金とかはどうでもいいんですよ!

混血として生まれ、まともな人生は送れないと覚悟していた青沼が意次や皆の「ありがとう」という言葉とともに消える。

そして黒木の慟哭。読み返すたびに毎回震えます。

 

 

・十一代将軍 家斉(男子)

 

久しぶり過ぎる男将軍気弱だけど優しい家斉。その母、極悪ラスボス治済。御台茂姫。お志賀。チーム赤面 黒木 伊兵衛 きすけ 

引き続き赤面疱瘡根絶への医療ものと宮中謀略もの。

自らが傀儡となる為、息子家斉を将軍に置き、権力をほしいままにした歴史に残るサイコパス治済爆誕

良心というものが一切無いので誰でも殺す。姉も親も孫も殺す。なんなら息子も殺しにかかる。

治済が息子家斉に吐くセリフ「男が政に口を出すな」自民党のおじいさんたちー、これあなた達ですよー。

平行して描かれる疫病根絶への道。茂姫とお志賀の命をかけた復讐劇。

ここで描かれる様々な親子。黒木と青史郎、茂姫と敦之助、お志賀と総姫、治済と家斉。

そしてついに赤面疱瘡の予防接種が確立され、この章でひとつのクライマックスを迎えます。(黒木さん、良かったね)

 

 

・十二代将軍 家慶(男子)

 

引き続き男将軍クズ家慶。阿部正弘。瀧山。

ここからどんどん幕末へ。家慶は娘祥子(後の家定)に性的虐待を繰り返す人間のクズ。

なんで、この章は正弘が瀧山を登用し、有能な2人がブンブン出世していく様が描かれます。

 

 

・十三代将軍 家定

 

ここで女将軍に戻った家定。腹心正弘。瀧山。胤篤(篤姫

主役の2人家定と胤篤を、三代将軍家光と有功の面差しに似せたところに、こっからラストに向けて締まって行くぞ感を感じました。(勝手に)

幕府の権力に陰りが見え始め、外交に奔走する腹心正弘が病を得た時のくだり、

「人は悲しいにせよ楽しいにせよ己の来し方をひとつの物語に編んだ時どこか心が安らぐものでございます」という胤篤の言葉。

真理でした。

父のトラウマから逃れ、胤篤の子を懐妊した家定もまた亡くなってしまう、もうみんな志半ば。。。泣

 

 

十四代将軍 家茂

 

スーパー良い子家茂。天然胤篤。気を揉む瀧山。気が効く黒木。やり手中澤。人でなし慶喜。みんな知ってる勝海舟。そして和宮

もうここからは和宮でした!和宮ーーー!!!!

こんなに魅力的なキャラになっていくとは!

生まれつき左手が無かった事で母に疎まれ死んだ事にされ部屋から出してもらえず、それでも母に焦がれて(そりゃそうだよ!)しかし母は弟のみを溺愛。

その母を独占するが為、命賭けてとりかえばやを実行する和宮。その必死さ、健気さ。

江戸での母とのやりとり。「私かてお母さんにずっと甘えたかった」その言葉も母には全く届かず。。

「嘘でもーそんな事ない 親子さんも可愛いーとは言って下さらんのやな」号泣。

そんな和宮の心を徐々に溶かしていく家茂の真っ直ぐさ。人間、必要とされる事がどれだけ生きる希望になるかがとても丁寧に描かれていました。

そしてここで本作品は次元の違う段階に進みます。

家茂と和宮、女性同士で恋愛関係にあるわけでもない2人が信頼に足るという1点のみで養子をとり家族となる展開。

ここに来て、それまでの人物を縛ってきた血や家という呪縛から自らを解放する。物凄いと思いました。

けれど国の行く末の為、虚弱な体に鞭打って奔走した家茂もまた若くして亡くなってしまう。

 

 

・十五代将軍 慶喜 最終章

 

もはや主人公和宮。胤篤。瀧山。勝。中澤。仲野。慶喜西郷どん。(一瞬出てくる龍馬)

この作品、徳川を描くという事は幕末から維新までやるのかな、え、て事は討幕されるし結構写真とか残ってるしどうすんのかなと思っていたんですが、本当にここまできましたね。

徳川にとっては黄昏、日本にとっては新たな時代への夜明けであるこの期間、それぞれの志がぶつかり合う、ザ・幕末ものでした。

ことの中心は京都なので、そこから取り残された江戸城のひっそりとした感じ、本来もこうだったのではと思うくらいです。

そして無血開城に至るあの流れ、作品大奥が私たちの世界へと繋がる最大のクラマックス、和宮を女性とした意味。

 

 

 

 

 

エピローグで舞台は明治四年に移り、主要な面々のその後が語られます。

ひょっこり生きていた瀧山、いやまじで死んだと思ったのでほんと良かったです。殺伐とした幕末にあっても、ちょっとしたドタバタでほっこりさせてくれたあの面々のアメリカ珍道中、めちゃくちゃ楽しそうだな。(数ページでいいから読みたいと思うファン心)

 

物語というのはどう終わらせるかが1番難しいと思うのですが(しかもこれは壮大な大河)、あのラスト!!!!

なんというキレの良さ!鮮やかさ!!天晴れ!!!天晴れじゃーーーーー!!!!!

 

 

 

 

 

長々と書いて参りましたが、またひとつ「大奥」という不朽の名作が生まれたことを改めて心から嬉しく思います。

様々なテーマが盛り込まれた重厚な作品ですが、私はその底にあるのは人間賛歌だと受け取っています。

人が人を思う気持ち、行動がこの世を生きていくに値するものたらしめるのだという、とても希望溢れた物語でした。

 

よしなが先生、本当にお疲れ様でした!!!

未見の方は一気読みがおすすめです!!!

追記『38師機動隊』

良作への礼儀として2周して参りましたので、前回書き切れなかった事を再度散らしていきたいと思います。

(あ、めちゃくちゃネタバレしてます!!)

 

男性のバディものをブロマンスなどと呼びますが、これはブロマンスというよりもはやロマンスですね。

当方、腐女子ではないのでうかつな事は言えませんが、邦題も付けるなら『元カレは天才詐欺師』ではなく、『今カレは天才詐欺師』だろと。

 

まず私的ベストシーンを4つほど挙げさせて下さい。

 

 

・サ店でマ・ジンソクに「完納されました」かますシーン

 

ここ最っっ高に痺れました。シーン序盤でもうここがマ・ジンソクターンのラストだと分かるので、いかにドヤるかがミソだなと思っていたんですが、こんな世界最高峰の台詞に出会えるとは(泣)

この場面を最高に盛り上げてくれたマ・ジンソクのヒールっぷりに感謝です。

 

 

・パン・ホソクを嵌めるためにホテルで開催されたデカいセミナーシーン

 

ここも良かったですね~。リハーサルからのハクチュヒョンがまず最高、あの手下の感じも最高。

そしてジョンドの独壇場。方言でまくしたてて煽る煽る。後からあの「金持ち!!!!」という煽りが彼のアドリブだったと知ってもう感涙です。

 

 

・公園でのしょぼい喧嘩シーン

 

しょぼさ!!!ズボン破れ!!!!乳首噛みつき!!!!!

からの仲直りーーーーー!!!!!!

 

 

・チャ・ミョンス社長の拉致監禁シーン

 

俺たちの観たいマブリーを存分に見せてくれた極上シーン。人類で1番総柄黒ピタTが似合うマブリー。

ジャワンの使い方や皆さんのやり取りが大変楽しかったです。

(「もう殴るな。またむくむ。」笑。「Aチームに貸した」Aチームってなんだよ笑)

 

 

 

 

そして38師のメンバー及び華を添えてくれた皆々様

 

・ミジュ

 

美貌と演技力と知性で様々な所に潜入するというこの人が1番身体張ってんじゃないとかいうミジュさん。

ジョンドに実は片思いという、わずかなロマンス要素にもかろうじて貢献してくれました。

 

・ハクチュ兄貴

 

こちらはダイレクトに身体張る当たり屋担当。当初のEQが高いという設定はよく分かりませんでしたが身体能力の高さは伝わってきました。

パンチパーマにジャージという世界共通の輩な装いがとってもお似合い。途中裏切っちゃうけどやっぱり戻ってきてくれる、あ、EQが高いってそういうことか。

 

・ジャワン

 

変な顔担当。実は若い。あのアジトにしてるあそこ何。

 

・ノ先生

 

ノ先生ってワン会長に片思いしてたんですね。2回目でやっと分かりました。

男女の色々を超えてワン会長に仕えるノパイセン、かっこいいっす。

 

・マ・ジンソク

 

序盤を盛り上げてくれただけでなく、終盤まさかの再登板。オードリーの2人を足して2で割った風貌が意外とかわいい。

なんだかんだ1番おいしい役だったのではと思います。

最後の札ばら撒きにも関与してそうな匂わせも良かったですね。

 

・ソンヒ

 

ソンイル以外で最も変化した人物でした。最初のうわうっっぜーーーーー!感からの内助の功

彼女が徐々に協力的になる心情変化は自然でしたし、最後は徴収局としてきっちり仕事も果たせました。(決して元サヤにならない所も好感度大です)

 

 

・アン局長

 

めちゃくちゃ暗躍しまくり。私かなり好きでした。

他のドラマで拝見したことあり、その時はかなりオーバーリアクションのうるさいキャラできつかったんですがこんなに上手い役者さんだったとは。やはり役者を生かすも殺すも作品次第ですな。。

あの抑えた芝居が最高です。

 

 

・徴収局3課の2人(名前忘れた)

 

ここもカップルなのでは?というくらいいつもくっついてましたね。

顔薄い方が実は熱い思いを抱えてて良かったっす。

 

 

・チョン市長

 

苦笑界のプリンス。終盤の主役の1人であり、全体通して良い苦笑を見せて頂きました。

この方の昭和美男子な趣、この役にピッタリでしたね。市長、ミンシク、ソンイルで撮った写真の中ではかっこいい先輩だったのでしょう。。泣

 

 

・パン・ピルギュ

 

中ボスタヌキ親父。中盤の功労者。まさかのげんなりシャワーシーンを披露。

おそらく人の良い親父役もお手の物であろうこの方も、きっちりやられ役に徹して下さいました。

接見での「覚えておく」、良かったっす。

 

 

・トクペ

 

なんだかめっちゃかっこいい不時着岡本チョルガン。腕っ節が強い奴はグレーTが良く似合う。終盤の再登場を期待してんですけどね~、、

「世の中には俺たちみたいなチョイ悪善人が必要だ」という名言を残して下さいました。

 

 

・サ刑事

 

爬虫類系陰湿デカ。とにかく顔。あと猫背。

せこい悪役に徹して頂きました。

 

 

・ホソク&ミナ姉弟

 

豚野郎系ドラ息子&青磁姫。

私、ミナ姉好きでした。彼女のうっすらとしたほくそ笑みがいいんですよね。

 

 

・チョ税理士

 

見た目デカい牛のザ・悪代官。セクハラパワハラモラハラとハラスメント満漢全席。

ご本人はすごく良い人らしいです。(そりゃそうか)

70歳くらいだと思ってたらまだ59歳でした。すんません。

 

・チャ社長

 

滲み出る小物感。(褒めてます)

 

 

・ワン会長&キム専務

 

ここもカップルでしょうな。ボスのお務めに付き合うNo,2。多分4~5年は入ってますからね。

チェ会長と対になる、ワン会長の「陽」さは終盤の華でした。

 

 

・チェ会長

 

最凶ラスボス。金と権力に執着しまくる醜悪さを存分に魅せて頂きました。

演じるイ・ジェホ氏は御年79歳!まだまだお元気でいて下さい。

 

 

 

他にも、サ刑事の部下とか、ハクチュの手下共とか、劇団員とか、マソク洞の住人とか、飯屋の主人とか、、(あの人役者か?)

前回と繰り返しになりますが、とにかく細部に至るまで良いツラだらけでしたね~。

 

いいセリフもたくさんありましたし。

(「ジャンパー着てる奴は10万ウォン盗む。スーツ着てる奴は10億ウォン盗む。バッジを付けていれば1000億ウォン盗む」etc…)

 

 

本当にもう何でもいいから続編観たい!!!あいつらにまた会いたい!!!!最高のタイミングであの曲聴きたい!!!!!

 

 

どうやって締めていいか全く分かりませんが、とりあえず散らしきったのでひとまずここで終わりに致します。

最高の時間をありがとうございました!!!!

ハッタリとはこうカマす『38師機動隊』

『38師機動隊』(邦題:元彼は天才詐欺師❤️)韓国ドラマ/2016年

!!!ネタバレあり!!!!

 

 

韓国ソウォン市市役所の税金徴収課でうだつの上がらない日々を送るペク・ソンイル課長(マ・ドンソク)はある日なけなしの貯金で個人売買サイトの中古車の購入を決めるが、、

一方、出所したばかりの青年ヤン・ジョンド(ソ・イングク)はある計画を秘めており、、

 

 

もう最っっっっっ高でした!!!

こういうのが観たかった!!!!!

 

良い脚本、良い演出、良い役者が揃うとこうなるのだというお手本のような作品です。

(邦題のアレさは、もうすでにたくさんの方がキレ散らかしてらっしゃったので省きますね。)

 

国民の義務である納税、しかし富裕層であればある程、特権に守られて超高額な滞納を見逃されている。

ここに切れた税金徴収課の主人公が、とあるきっかけで天才詐欺師とタッグを組み「詐欺」を仕掛けて税金を徴収していくストーリー。

 

「詐欺」はするものの、目的が滞納している税金徴収という1点の曇りもない公明正大さなので、こちらとしても全く心痛まず非常に痛快なんですね。

 

そしてこの手の話の場合、いかに相手を嵌めるかが肝ですが、ここがとても分かりやすい。

一度全体の流れを見せた後、さかのぼって実はこういう事でしたとネタばらしをする作りですが、ピタっとパズルがはまっていく気持ち良さがちゃんとあります。

(下手な作品だと、今何やってんだっけ?え、いきなりでてきたこいつ誰?の連発なんですよね。。)

 

またざっくり3章に分かれているのですが、ここも

小ボス→の上にいる中ボス→の上にいるラスボス、と単純明解です。

 

だんだん敵が強くなっていくごとに絡む人数や思惑も増えてきますが、大丈夫、観てれば分かる。(名前だけはしっかり覚えておいた方がいいけど)

 

また、伏線の回収の仕方も見事です。

鑑賞中、あれ?あそこってもうスルーしちゃったのかなと感じる箇所がいくつかあるんですが、のちのちきっちり拾ってくれる。最高。

(序盤で逮捕されたはずのジョンドが送検前に一刑事の判断であっさり釈放された時、そんなぬるい事あるか?って思ってたので、あそこは嬉しかったですね。)

 

ロマンス要素がほとんど無かったのも良しです。

こんな大変な事してるんだから恋愛なんてしてる暇ないんだよ!

 

 

そんで役者陣!!!

 

しょぼい公務員ペク・ソンイル役に、マブリーの愛称で知られるマ・ドンソクを据えた時点でもう勝ちでしょう。

マブリーが走る!マブリーが困る!マブリーが焦る!マブリーが照れる!マブリーがキメる!

どうしてそんなに可愛いのか、マブリーよ。

ガタイはでかいが気は小さい。(なんなら喧嘩も弱い)でもとっても真面目だからどんどん詐欺の勉強して、最後は立派な詐欺師になっちゃう。

 

そして我々が大好きなあれ。

 

「滞納総額⚪︎⚪︎ウォンを、、、完納されました。」

 

かつてここまで地味な決め台詞があったであろうか。

 

この決め台詞を言うバリエーションも良かったですね~。最初はブチ上げ、次はキメた後に急展開、そして最後は静かに、、、(泣)

 

 

次にソンイルとバディになる天才詐欺師ヤン・ジョンド役のソ・イングク

本当に華のある役者さんですね。見栄えがいいのはもちろんの事、フィクショナルになりやすい「天才詐欺師」を見事に体現していました。あの腹の底が見えない笑顔、最高っす。

詐欺の過程で別人になりすます時も、たいして変装していないのに口調や仕草でちゃんとその人に見える、これが芝居だ!

 

 

この2人を中心とした詐欺チームの面々ももう大好きですよ。

「花」担当のミジュ、「飛ばし」担当のハクチュ、「キーボード」担当のジャワン、「財布」担当のノ先生。

まぁ始めは各々裏の担当がありますが、みんな普通に演者としてめっちゃ前に出てきます笑。めっちゃ芝居カマします。

 

その他、メインから脇に至るまで本っ当にいいツラが揃ってましたね~。(にわかの私ですら知った顔がちらほら。不時着チョルガンのちょい悪善人ぷりや、新しき世界のあの人の出落ち感にホッコリ)

こういうクセ強ジジイ達が観たいんですよ、こっちは。イケメンは1人で良い。

 

なんつっても敵キャラのツラですよね。上に行けば行くほど、冴えねぇジジイなんです。でもきっと現実ってこうだなと。日本にもあんなんたくさんいます。

 

 

 

このドラマ、序盤から中盤まではどんどん飛ばして華麗に騙すのでとても楽しいのですが、それ以降はかなり苦戦を強いられ悔しい展開が多くなってきます。

そして最終的に(序盤に比べると)かなり静かな決着を見ます。もしかしたらそこに食い足らなさを感じる方がいるかもなんですが、私はあれでいいと思ってます。

 

まず、ラスボスであるチェ会長が強すぎる事を示す為にはスムーズに事が運んじゃダメ。

そしてチェ会長を倒すという事は同時に、ソンイルの先輩であり、部下ソンヒの父であるチョン市長の失脚と同義なんです。

だからどうしても苦くなる。(あの市長、とても味わい深かったですね。市民のためと正義に燃えていたのにたった1度の便宜で永遠に身動きがとれなくなり、取り返しのつかない罪を犯してしまった哀しさ)

 

また、ジョンドの身の振り方も良かったです。

最後の詐欺を事件として立証するために自らが犠牲となって自首をする。

よく、ここまででかい事やったのに、なんかのスーパーパワーで無罪放免になって大手を振ってシャバで暮らすみたいな結末もありますけど、決してそうはしなかった、そこに製作陣の矜持を感じました。

(それやったら特権に守られているあいつらと同じになってしまうという考え方もあります。)

 

 

 

ラストのあのお遊びも愛嬌ありましたね。ああいう洒落は大歓迎です。

 

 

惜しむらくは1点だけ、あのノ先生の娘ジヨンだけはちょっと、、、あの芸達者陣の中では役不足感が否めず、、、

赤髪ロングに派手なスーツでエキセントリックさを演出していたんでしょうが、あれだったら金髪ショートとかでゴリゴリアクション出来る中性的な女優さんを配置した方が映えるのではと思いました。(ノ先生クラスなら絶対ボディーガードいなきゃダメだし)

 

 

エンドロールで「必ず戻ってきます」との文言がありましたが、続編どうだろうな~、、、めっちゃ観たいけど、こんだけ時間経っちゃったし、マブリー多分超忙しいし、、

 

 

もし!もし、続編が制作されるなら、今度は出所したジョンドとソンイルが詐欺防止チームを組み、これまでのスキルとメソッドを武器に極悪詐欺集団をぶちのめしていくという展開はどうでしょう?!(映画でもいいよ!!)

 

 

 

何はともあれ、最高に幸せな時間を過ごしました!!

鑑賞後、私に詐欺は出来ませんがああいうクソ野郎を倒すために選挙権をバキバキに行使していこうと心を新たにした次第!!!

胸を張っておすすめできる作品です!!!!

これが私の生きる道『コインロッカーの女』

『コインロッカーの女』 韓国映画/2015年 (原題:チャイナタウン)

!ネタバレあり!

 

生後すぐ地下鉄のコインロッカー10番に遺棄されたためイリョン(10)と名付けられた少女が仁川チャイナタウンで闇金を営むオンマに文字通り拾われ、彼女を頂点とする疑似家族と共に裏稼業に従事していくクライムサスペンス。

 

 

かなり好みの作品でした!

まず主人公イリョンのあの座った目、トッケビのあの子なんですね。

トッケビは7話辺りで挫折。人間合う合わないはある。)

序盤の借金取り立てシーンも大変勉強になりました。

 

そしてこの作品の肝というか、作品の世界観そのもののオンマ!!キム・ヘスという韓国の大女優でこの時まで存じ上げなかったんですが、彼女を観られただけでも5億点でした。

 

もう顔一発の説得力が凄まじい。出てきた瞬間の、ああこの人に逆らったら死ぬな感。顔立ち自体はとても可愛らしいのに、佇まいのドスの効き方が半端ない。声を荒げたりする事は一切ないのに超怖い。凄い。

 

他のキャストもいい顔揃いでしたね。

長兄ポジのコク、妹ポジの危うさ(応答せよ組)、あとあの知的障害のある彼、あれほんと演技?

元ファミリーで今は独立して闇金やってるコ・ギョンピョも良かったです。

図体はでかいが器が小さいゆえギャンギャン吠える人徳少なめチンピラボス、

推しにはどんどんクソ野郎を演ってほしい願望を満たして頂きました。

 

中盤、物語の起点となるパク・ボゴムも本人まんまなキラキラ感で説得力ありましたね。

 

ボゴムとの交流で生まれて初めて人の優しさに触れたイリョンが、もしかしたらその先に何かあるかも(多分絶対無理だけど)と、ほんとにかすかな光が射した直後のあの展開。

 

オンマの容赦の無さよ。

でもこれがイリョンのいる世界。

 

そこから一転、哀しき獣ばりの逃亡劇となり、疑似兄弟達が殺しあう展開に。

 

終盤オンマを殺すため、事務所に帰るイリョン。

飯食いながら待ってるオンマ。(最高)

自身も母殺しをしており、常々役に立たなくなったら捨てると子供たちに言い続けていたオンマが、覚悟を決めたイリョンに全てを譲り身を引いた良いシーンでした。

(ここの場面、観た当初は拉致現場から徒歩で帰るってちょっと無理があるのでは思いましたが、少女時代のシーンと対になっていたんですね。)

 

エピローグでは家業を引き継いだものの、それまでやっていた臓器売買とは手を切り、

密入国者への偽造書類作成のみに舵を切っていました。

 

ここ、というか、この作品、衣装がとても良いなと思ったんですが、オンマはだいたいヒョウ柄トップスにどうでもいいパンツ、そして足元はゴツめのトレッキングシューズ(ここ重要!ヒールとか履かん)に対して、新たなボスとなったイリョンは黒のパンツスーツ(このスーツのチョイスも硬派で良かった!)なんですね。

この衣装だけでもイリョンはオンマとは違う道を選んだ事が伝わってきました。

 

最後、誰もいない事務所で一人オンマを弔うイリョン、彼女は疑似家族は作らず孤独に生きて行くのだろうと思います。

 

全体的にとてもドライで重い話ですが、一瞬差し込まれたこっそり家族写真を撮影するシーンなどが淡く残る良い映画でした。

 

大満足!!

 

 

 

 

 

 

 

 

もう1度何をしたかったのか考えよう『プライバシー戦争』

『プライバシー戦争』韓国ドラマ/2020年 (原題:私生活)

!ネタバレあり!

 

推しの1人であるコ・ギョンピョが主演したクライムアクションドラマであり、漏れ聞こえる評判も良かったのでイソイソと観てきました。

 

 

またしても序盤はほんっっとーーーーーに良かった!

3話目くらいまで、ほんっっっっっとーーーーーに良かった!!!

 

 

冒頭、家族ぐるみで詐欺を働く一家の1人娘ジュウンが刑務所を出所した所から一転、過去に戻りそれまでの経緯が語られる作りですが、本当にテンポが良く洒落もきいていて、とても楽しかったです。

 

娘を使って当たり屋をしたり(ひどい笑)、傷痍軍人の振りして小銭稼いだりしていく内に大手の詐欺組織にフックアップされ、事態がどんどんでかくなるが機転で乗り切っていくさま(ここのお父さん最高)は小気味良いし、

詐欺行為自体をドキュメンタリーと呼ぶ、その世界での玄人感も良い。

 

キャラもまたいいんです。

主人公ジュウンのハスッパさ、お父さんの実は人の良さそう加減、母親のふてぶてしさ、刑事のおばちゃん、大手組織の 女ボス、不時着耳野郎のセクシーワルワル感、

そして本作を観た人なら誰もが惚れる事間違いなしのワンハンド先輩!(第二のマ・ドンソクとなるか、冷蔵庫系ボディー男子の新星テ・ウォンソク!)

 

彼の所作、非常に良かったですね~。

父親がしょっぴかれて泣いてるジュウンにトイレットペーパーをロールで渡す。無骨!無骨の極み!!

熱唱もかわいいですしね。

 

そしてコ・ギョンピョ演じるエリート会社員ジョンファン。

ピザをむせるあの演技。ああいう細かいところがすごく上手いと思います。

 

とまあ、ここまではテンションマックスで最高に幸せだったんですが、そっからでしたね。。。

 

まず現在パートでおばちゃん刑事がサクッと退職して焼肉屋になってる時点でちょっとテンション下がりました。

すごく良いキャスティングだったのに、、、

 

その後の展開はショックの余りもうすでに記憶がボンヤリしてるんですが、頑張ってみます。

 

この話、初めは詐欺サラブレットジュウンが色んな詐欺やってたくましくなりつつ、父親の仇打つリベンジものアンド、うっかりエリートと恋しちゃって結婚までこぎつけたけどいつバレるかなものをコメディタッチに描くのかと思いきや、中盤からめっちゃ巨悪出てきちゃうんですよね。

 

そこからは登場人物たちが、あっち行ったりこっち行ったりをずっと繰り返してました。

 

もう色々言いたい事はあるんですが、

 

1 帳簿の扱い

 

キーアイテムとして出てくる、ある帳簿。(持ち主は殺害済み)

これには韓国の大物たちの金銭的悪事が詳細に記されているわけです。これが世に出たら超まずい。

こちらとしては、なるほどこれがマクガフィンで、この帳簿の行方によって話が展開していくのだなと当然思うわけですが、この帳簿、気づいたらみんな持ってる。コピーとか写メとかして。それじゃ意味ないじゃん。みんな持ってたら意味ないじゃん。

 

2 監視がザル&危機設定がヌルい

 

ここに出てくる巨悪こと大企業GKの秘密部門のなんちゃら室。

このなんちゃら室は、個人のスマホ、PC、街中の防犯カメラ全てを網羅してるらしいんです。

一方、途中逃亡状態になった主人公2人は結構街中をラブラブでフラフラするんですね。いや秒で見つかるだろ。

 

3 事象が集約していかない

 

物語を畳むためには、最終話に向けてこれまでの様々な事象が集約していかないといけないと思うんです。

そのために伏線などを張るわけで。

しかし、このドラマ最後まで風呂敷広げます。どんどん知らん人とか出てきます。

 

 

そして最終話、もう半分白目で観てましたが、この最終話すごかったですね。これはあれかな、小学生が書いたんかな。

黒幕が白状したところで、そりゃそうでしょうよ、あんたしかいないでしょうよと思いましたし。国家情報院の無双っぷりとか。じゃあはじめっからあの人達が全部やればいいじゃん。

物議を醸すレベルでもないあの最終シーンも全く洒落がきいてない。

ここまで心折られたドラマは久しぶりですね。

 

序盤あんなに輝いていたキャストも、最後は芝居のしようがないように感じました。

最終的には方向性がフワッとしたまま色々詰め込んだら辻褄が合わなくなって最後はとりあえず周りをセメントで固めときました!

といった印象です。

 

これだったら、こんなに風呂敷広げず例えば

 

詐欺師の主人公が運良くエリートと結婚出来たと思ったら、実はそのエリートが何枚も上手の詐欺師であり、

お互いいつばれるかばれないサスペンスを周りを巻き込みながらコメディタッチに描きつつ、うっかり巨悪の一端に触れてしまい共闘しながら真のパートナーになる(フィクションラインは低めで)

 

とかの方が良かったのでは。原題も私生活だし。

 

と、色々罵ってきましたが勿論良かったところもあります。

前述の通り序盤は最高だし、役者さんも力のある人ばかり。(あの興信所の女性スタッフだけは非常に浮いてましたが)

ラストあたりの耳野郎ことキム・ヨンミン渾身にキスシーンは内臓にガツンときましたしね。

 

といったわけで、話を作る際は何を語りたいのか今一度熟考する事が大事だなと思いました!

 

 

もっと絶望を見せてくれ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』

『Sweet Home -俺と世界の絶望-』(!ネタバレあり!)

韓国ドラマ/2020年

 

ネッフリでチラッと観たティーザーが非常に嫌~な感じだったので、これはと思いワクワクして観ました。

 

結論から言うと、なんか肝どころを外した話でしたね。。

 

ただ序盤はとても良かったです。

日本とは少し趣の違う荒れた巨大団地に引っ越してきた自殺願望のある元高校生。

感じ悪い住人に嫌がらせをされる管理人。(椿におけるフンシクアボジ

空のベビーカーを押す母親。

そこここで起き始める異変、からの化け物登場。

対処できないまま団地に取り残された住人たち。

 

もう舞台立てはバッチリだし、こちらもハイハイ、ミスト×ゾンビ的なやつね、オッケーオッケー楽しませてもらいましょってなってたんですが。。

 

 

 

私的残念ポイント

 

1 人間が揉めない

 

もっと揉めてくんねぇと。いや揉めはするんですけど、そんだけ?みたいな。

ミストにおける宗教ババア役はいるんですが、割とあっさり退場しちゃうんですよね。

あいつは人間のまま、ずっとDVに耐えてきた妻に殺された方が良かったと思います。 毛モンスターになったところでね。。

あの殺人鬼クソ野郎もクソ野郎人間代表として、化け物との良い対比(終盤ちょろっと人に危害を加えない化け物も出てくる。あれも謎だけど)になったはずなのにそこも割とアッサリ。

 

 

2 モブがモブのまま

 

こういう設定において、戦闘能力の高い人や頭脳明晰で冷静沈着なキャラは勿論必要だと思います。

じゃないとすぐ全滅しちゃうし。

でも、このドラマ、出来る人は最初から最後まで出来るし、モブはずっとモブのままなんす。

せっかく時間あるんだから、ちゃんともっと成長したり、弱者だったキャラの能力が思わぬところで発揮されたりとかそういう観たかったです。

(映画だとご都合主義に見えちゃうかもだけど、ドラマだったら時間かけられるし)

   

 

 

3 危機の設定がぬるい

 

危機の設定がぬるいんす。

どこまでが大丈夫で、どこからが駄目なのかが非常にボヤッとしてるんですよ、全体的に。

あの状況ではそこが1番重要なんじゃないんですか?!

化け物が今どこにいるのか、いつどうやって襲ってくるかわからんはずなのに、死ぬ気で助けた子供がずっとウロウロしてたり。

あとさっき水不足だって言ってた話はどこ行った?

  

 

 

4 なんかもうどうでも良くなる

 

これは3から来るものですが、あまり危機感や悲壮感が伝わってこないから、キャラがどうなろうがどうでも良くなっちゃうんですよね。

重要キャラの最期のシーンで全員出てきて、ある程度の距離から並んでボサッと見守る演出とかまじか、、、ってなりました。

 

 

 

 

他にもあの管理人がきっとどエライ化け物になって大暴れしてくれるんだろうと期待してたら割と小粒だったり(元管理人という背景が全く生かされてない!)

不良バレリーナのキャラの無理さだったり(ああいう感じはもうきつい)、サクッと終わる盲腸手術だったり(もう一回漂流教室読んで!)、唐突なヒャッハー軍団があまりにも唐突だったり。。。。

 

 

まあでも良かった所もあります。

あの母親の哀しいけどそれを超えてしまう不穏さとか、インテリ日本刀キャラとか(こういうてらいは大歓迎。もうちょい理由付けはほしいとこだけど)

感染ではなく絶望による化け物化とか(そこが曖昧さとぬるさの原因でもあるが)

最初の化け物のビジュアルとか、車椅子男性の登場シーンとか。

あ!あと消防官の女性の肉体の作り込みはすごかったですね。

それくらいかな、、、

役者さんも上手なんでしょうけど、いかんせん話が真に迫ってないからイマイチというか全然感情移入出来ず。。。

 

というわけで、さして絶望する事なくボヤッと観終わりました。

続きは観ないと思います!!

  

 

 

そこには幸せしかない『花より青春 アフリカ編』

応答せよ1988で無事ソン・ソヌ役のコ・ギョンピョ氏に落ちまして。

 

出演ドラマ、映画を漁りつつ行き着いたのが

 

『花より青春 ーアフリカ編ー』韓国/2016年

 

応答せよのメインキャスト4人がドッキリ仕掛けられて、ほぼ身一つでアフリカ旅行するという人気のバラエティらしいです。

韓国のバラエティって観たことなかったのですが(というか海外のは観たことない)、とにかく推しを浴びたくて、うっかりU-next無料トライアルに登録。(期限を忘れるな自分)

 

もう、幸せしかなかったっす。

 

何これ、まじか。

 

プチトラブルなどありつつも、初めてのアフリカ旅行で仲良さそうにキャッキャする姿になんていうか良い意味で彼らも普通の青年たちなんだなと。そして一生懸命お互いを思いやる姿に胸打たれまくりました。

めちゃくちゃ笑えましたし。(あと彼らの英語の発音の綺麗さに感動)

 

それが芝居の仕事になった途端、全然違う人になっちゃうんだからやっぱり役者さんたぁ凄いもんですね。

役によって勝手にイメージがついたり、私生活をやいのやいの言われたり、なかなか大変な商売かと思いますが、

これ観たらもう全力で応援するしかないと心を新たにした次第です。

 

応答せよからの花より青春、これは黄金コースでしょう!!